イルボニン in ハングク

ACLの全北対セレッソ戦で
「日本の大地震をお祝います」という垂れ幕が下げられていたという話
日本の被災地には痛々しい知らせであり、
多くの韓国民にとってもため息の出るニュースだろう。
試合のあった全州といえば全羅道、歴史的にも慶尚道との争いに敗れ
差別を受け続けた土地で、人の痛みの分かる気質だと思っていたのだが。

しかし、日本で大きな災害があったことはほとんどの韓国人にとっては
実感のともなわない事態で、さらには日本に被害が出たという点で
心のどこかですっきりとする気持ちをもつのは当然だろう。
悲しいがそんな深い海峡の溝の南北に両国は位置している。

もし今自分がソウルに住んでいたらなら。
おそらくほとんどのソウルの人々が、家族は大丈夫だったのか?
日本には戻れるのか?と親切に聞いてきてくれるだろう。
しかし韓国社会の奥底に、どこかシォナダ(すっきりした)という空気を
感じてしまう自分がいることだろう。
人の心に本当の自由などなかなか定住してくれない。何かにとらわれてばかりだ。