4月の風 藤田嗣治

強い風と雷雨で巻き上げられたのか
どこからかやってきた桜の花びらが
地上数十メートルの我が家の玄関にも
散らばっていた
4月の始まりだ

山で出会う強風ほど嫌で怖いものはない
足を止めて、気持ちを萎えさせて
時には命まで奪ってしまう
まだ雨の方がましだ歩き続けていれば
とりあえず凍えない

今年は雪が深かったからか
冬が長かったのか
春がうれしく感じられる
景気が上向きなのも関係あるのかどうか

藤田嗣治展が千鳥ヶ淵で開かれている
きのうはNHKでいいドキュメントを放送していた
正しいかろうが間違っていようが
人を傷つけることなく自分の意志を全うできるのが
芸術のいいところだ
人の心の命を救うこともあるかもしれない
そんな芸術家がたくさん生まれた
明治大正昭和の時代は日本人として
誇りに思ってもいい
桜もだいぶ散ったろうし
千鳥ヶ淵に行ってみよう